カードローンの種類の中には「借り換えローン」や「おまとめローン」といったローン商品があります。
これらのローン商品は借り入れを始めた時点から利用するタイプのローンではなく、基本的には複数社から借り入れをしている人が借り換えを行うためのローンです。
色々なカードローン会社が借り換えローンを提供していますが、どのようなローンなのか知らない人も多いでしょう。
こちらでは借り換えローンの仕組みやメリット・デメリットなどについて詳しく紹介していきます。
借り換えローンとはどのようなローン商品なのか?
まずは借り換えローンがどのようなローン商品なのかということについて紹介していきましょう。
簡単に説明すると、借り換えローンは「他社からのカードローンを借り換えることが出来る」ローン商品の一つです。
カードローンを利用していると、複数のカードローン会社と契約しているケースはよくあることです。
複数のカードローンを利用している状態だと、毎月の返済も大変なことになり、生活が苦しくなる人も多いでしょう。
そのような状況を解決してくれるのが、借り換えローンのポイントです。
それでは、借り換えローンの細かい仕組みについて解説していきます。
借り換えローンの特徴について
借り換えローンは冒頭でも紹介したように、複数社から利用しているカードローンを1社にまとめられるローンを指します。
「借り換えローン」の他にも「おまとめローン」と呼ばれることもありますが、このあたりはカードローン会社によって異なります。
借り換えローンの特徴としては、現在利用しているカードローンを1社にまとめて、以降は借り換えたローンのみの返済をしていくのがポイントです。
1社にまとめられるので返済日も1日だけになり、貸付金利も下がるケースが多いために、毎月の返済が楽になるのが特徴的です。
借り換えローンを利用するための条件とは
借り換えローンを利用する際には色々な条件がありますが、絶対に必要な条件としては「複数のカードローンを利用している」ということです。
原則としては、「複数社から借り入れをしているカードローンを1社にまとめる」という仕組みのローン商品なので、1社からしか借り入れをしていない場合は利用することが出来ません。
借り換えローンのメリットやデメリットについては下記で紹介します。
カードローンを借り換える際のメリットについて
カードローンの借り換えを行う際のメリットについて紹介します。
借り換えローンのメリットとしては、主に下記の3点が挙げられます。
- 貸付金利の引き下げが出来る
- 利用限度額の増額が出来るケースもある
- 現在の自分の状況に合わせた返済プランを構築できる
この3点です。
貸付金利が下がり利用限度額がアップすればローンの返済や今後の生活が楽になるので、この3つのメリットについて詳しく解説していきましょう。
借り換えローンで貸付金利が下げられるポイントとは
借り換えローンを利用すると貸付金利が引き下げられるポイントを知るためには、貸付金利がどのような基準で設定されているのか知らなければいけません。
カードローンを利用した際の貸付金利は「利用限度額」と「利用者のステータス」によって決定されています。
まずは利用限度額による貸付金利の設定についてですが、カードローンでは貸付金利に下記の上限が定められています。
利用限度額 | 最大貸付金利(年利) |
0~10万円未満 | 20.0% |
10万円以上100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
このようになっていて、カードローン会社は上記の条件を超える年利を設定することが出来ません。
この仕組みのポイントとしては、カードローン会社1つあたりに設定できることが挙げられます。
そのため、1社から110万円の借り入れをしている場合は最大の年利が15.0%となりますが、3社から50万円、30万円、30万円、というように借り入れをしているとそれぞれの年利が最大18.0%に設定できます。
このように、複数のカードローンを1社にまとめることによって最大の年利を引き下げられるので貸付金利が下がるという仕組みです。
次に利用者のステータスについてですが、カードローン会社は「返済能力がある」と判断する利用者に対しては貸付金利を引き下げる仕組みになっています。 そのため、年収が高かったり会社での役職が高かったりすると一般の利用者よりも貸付金利が低い傾向にあります。
借り換えローンで利用限度額がアップする仕組み
借り換えローンを利用するとローンの利用限度額がアップするケースがあります。
その仕組みは大きく分けて2つあり、1つ目は「借り換えた後に借り換える前のカードローンを利用する」というものです。
簡単に解説すると、借り換えローンを利用する前は下記のような利用状況だったとします。
- A社から50万円
- B社から40万円
- C社から30万円
このように3社からの借り入れを1社に借り換えるのが借り換えローンの仕組みとなるので、借り換えローンを利用すると3社の借入額はゼロになり、借り換えローンのみを利用している状況になります。
そうすると、A社~C社の借り入れがゼロになるのでA社~C社のカードローンを利用限度額まで利用できるということです。
2つ目の方法は「借り換えローンの利用限度額を借入額以上に設定してもらう」というものです。
上記の例を参考にすると、借り換えるためには120万円が必要ですが、150万円の利用限度額が設定されると全ての借入額を借り換えたとしても30万円分の余裕がある状態になります。
2つ目のタイプは純粋に利用限度額がアップすると考えて問題ありませんが、1つ目のタイプの場合は利用限度額がアップするというよりも「利用できる金額が増える」と考えたほうが良いでしょう。
生活の立て直しが出来る返済プランを構築可能
借り換えローンを利用した際の最大のメリットとしては「生活の立て直しが出来る」ことです。
複数社のカードローンを利用している状態というのは、毎日の生活が「どうすれば返済日に返済が出来るのか?」と考えてしまいがちです。
そうすると精神状態も悪くなり、睡眠障害や摂食障害を引き起こすこともあります。
また、貸付金利が高いといつまで経っても元金の返済が出来ないという苦しみもあるでしょう。
借り換えローンを利用することで、返済は月に1日だけで良くなり、貸付金利も引き下げられるので毎月キッチリと返済をしていれば元金も減っていきます。
そのため、複数のカードローンを利用している場合は借り換えローンについて検討してみると良いでしょう。
カードローンを借り換える際のデメリットについて
一般的にカードローンの借り換えをした際に発生するデメリットは少ないのですが、場合によっては現在の利用状況よりも悪化してしまうケースがあります。
こちらでは、カードローンを借り換える際に発生する可能性のあるデメリットについて紹介します。
借り換え先のローンの審査を受けなければならない
借り換えローンというのは、今まで利用していたカードローンの利用限度額が上がるという仕組みではなく、新たにローンを契約するという仕組みです。
そのため借り換えローンを利用する際には、新たにローンの審査を受けなければいけません。
これはカードローンの審査と同じように、利用者に返済能力があるのかという部分が判断されることになるので、多重債務で苦しんでいて、毎月の返済が滞りがちな人の場合は審査に通過するのが難しくなります。
また、現在利用しているカードローンを契約したタイミングと状況が変わっていれば、審査に通らない場合もあるので注意が必要です。
例えば、転職をしたり給与が下がってしまったりするとマイナス評価になります。
逆に、当時と比較して結婚していたり子どもが生まれていたりするとプラス評価になるので、一概に状況が変わっていることがマイナスになるというわけでもありません。
返済総額が多くなる可能性がある
2つ目のデメリットについては、借り換えローンを利用することによって返済総額が多くなってしまう可能性があります。
返済総額の計算は、元金と年利によって算出されますが、元金が変わらなくても年利が高くなってしまうと返済総額は多くなってしまいます。
上記では「借り換えローンを利用することで貸付金利が下がるのがメリット」というように紹介しましたが、貸付金利は現在利用している状況によって上がる可能性があることを知っておいてください。
それほど発生しないケースですが、借り換える前の貸付金利のほうが借り換えたあとよりも低いケースです。
これは、カードローンを契約した際のステータスがとても高く、貸付金利が低い状態で利用できた場合です。
銀行系のカードローンに多くなっていますが、銀行系カードローンは消費者金融系カードローンに比べると貸付金利が低い傾向にあります。
そのため、銀行系カードローンを多く利用している状態から、消費者金融系の借り換えローンを利用すると、総合的な借り入れ金額が変わらなくても年利が高くなり、返済総額が多くなるケースがあります。
これらのことから借り換えローンを利用する際には、借り換えローンで提示された貸付金利と現在利用しているカードローンの貸付金利をキチンと比較するようにしてください。
カードローンの借り換えをする際に審査されるポイントとは
こちらではカードローンの借り換えをする際に審査されるポイントについて解説します。
借り換えローンを利用する条件として「複数のカードローンを利用している」ことが挙げられます。
複数社から借り入れをしている人は経験したことがあると思いますが、カードローンは借入先が増えれば増えるほど、次に利用できるカードローンの利用限度額は少ないです。
これは、利用者の返済能力に限界があると判断されるためですが、借り換えローンでも原則としては同じことが言えます。
借り換えローンもカードローンと同じように、「新たにローン契約をする」という流れになるので、申込者に返済能力が無いと判断されると借り換えローンを利用することは出来ません。
そこでポイントになるのが、年収や職業といった通常の審査基準の他に「返済状況」というものが大きく関わります。
借り換えローンを提供している企業もビジネスなので、返済能力が無い人は契約してくれません。
逆に言えば返済能力があると判断できる人の場合は、「他社から自社に契約を切り替えさせる」ことが出来るので優遇される傾向にあります。
そのため、返済状況が芳しくない場合は借り換えローンが利用できたとしても貸付金利が高くなってしまうことがあるので、その点に関しては注意が必要です。
カードローンの借り換えを利用する際の注意点について
カードローンの借り換えに関しては、メリットのほうがデメリットよりも大きいために、基本的には利用できるならば利用したほうが良いです。
しかし、借り換えローンは多重債務の入り口という考えを持っている人も多いので、こちらでは借り換えローンを利用する際の注意点について解説します。
借り換えローンを利用すると、現在利用しているカードローンの借り入れをゼロにすることが出来て、利用限度額に空きが生まれるため、さらに借り入れをすることが可能です。
この状態になると、単純に借り換えローンを利用した分の借金が増えるだけとなるので、当然のことながら返済するのが難しくなり破産への道を進んでしまいます。
そのため、借り換えローンを利用する際の注意点としては、「完済するためのローンにする」と自分を律する必要があります。
意志が弱い人や、お金の使い方に計画性がない人の場合は借り換えローンを利用すると自分の首を絞めるだけになってしまうので、その点に関しては注意してください。
まとめ
今回は借り換えローンの仕組みについて紹介しました。
借り換えローンは利用者にとってメリットの大きなローン商品となっているので、現状で複数のカードローンを利用している人の場合は検討したほうが良いでしょう。
ただし、メリットの多い借り換えローンでも場合によっては利用者にとってマイナスになる点が無いわけではありません。
そのため、借り換えローンを利用する場合には現在自分が利用しているカードローンの仕組みと新たに契約する借り換えローンの仕組みを照らし合わせてメリットの多いほうを選ぶようにしてください。 何も考えないで借り換えローンのほうが良いと思考停止してしまうと大きな落とし穴にハマってしまう可能性もあります。