退職代行を使われた会社や上司は、「なぜ直接言ってくれなかったのか」とショックを受けることもあるでしょう。
最初に会社として行うのは、本人を責めることではなく本人の退職意思と退職代行業者の運営元を確認することです。民間業者・労働組合・弁護士では会社が取る対応が変わります。
退職代行を使われたらショック?会社・上司のよくある反応
従業員本人からではなく退職代行を通じて退職の連絡が来ると、会社や上司が驚くのは当然です。なぜ直接言ってくれなかったのかと考えてしまうことでしょう。
怒りや戸惑いのまま本人へ連絡すると、会社側の対応が問題視されることがあります。まずは業者からの連絡内容を確認し必要な退職手続きを進めてください。
会社や上司がショックを受ける理由
退職代行を使われたとき会社や上司がショックを受けるのは、退職そのものだけが理由ではありません。本人から直接話がなかったことで、職場や上司との関係に問題があったのではないかと感じるためです。
- 本人から直接退職を伝えられなかった
- 事前相談がなく、退職理由が分からない
- 引き継ぎや担当業務への影響が見えない
- 上司や職場に言い出しにくさがあったと感じる
- 他の従業員にも同じ不満があると考える
この段階で本人を責めると、退職日や引き継ぎの確認が遅れます。会社側は感情的に対応せず、業者から伝えられた内容をもとに必要な手続きを進めてください。
退職代行を使われた会社のよくある反応
退職代行を使われたとき、会社の反応は一つではありません。退職対応の手順が決まっている会社は、退職日や貸与品、必要書類の確認ができます。従業員数が少ない職場では業務への影響が大きく困惑することでしょう。
| 会社・上司の反応 | 起きやすい状況 | 最初に行う対応 |
|---|---|---|
| 驚く | 退職代行から突然連絡が来た | 本人の退職意思を確認する |
| 困惑する | 退職日や引き継ぎ内容が分からない | 退職日と必要な手続きを確認する |
| 業務への影響を心配する | 繁忙期や担当業務の途中で退職連絡が来た | 担当業務と影響範囲を洗い出す |
| 手順どおりに受け入れる | 退職対応の社内手順がある | 通常の退職手続きを進める |
| 職場の課題に気づく | 人間関係や労働時間に問題がある | 退職を言い出しにくい原因を見直す |
退職代行を使われたからといって、会社が一方的に悪いと決まるわけではありません。ただ、本人が直接退職を伝えられなかった事実は、職場の状態を見直す機会になります。
退職代行を使われても本人を責めない
退職代行を使われた直後は、会社や上司が納得できない気持ちもわかります。それでも、本人を責めたり怒りのまま連絡したりしてはいけません。
退職代行から退職の意思が伝えられたら、会社側は感情で対応するのではなく退職手続きに専念してください。会社として最初に行うのは相手を責めることではなく、退職の意思と必要な手続きを確認することです。
退職代行を使われた会社が最初に確認すること
退職代行から連絡が来たら、まず業者の運営元、本人の退職意思、雇用形態、退職希望日を確認します。あわせて、有給休暇、給与、貸与品、引き継ぎなど、退職までに処理する事項を洗い出します。
退職代行業者の運営元を確認する
退職代行から連絡が来たら、最初に業者の運営元を確認します。民間業者・労働組合・弁護士では会社が返答できる内容や対応する担当者が変わります。
業者のサービス名称、担当者名、連絡先、運営形態を残しておきましょう。
| 退職代行の運営元 | 会社が確認すること | 会社の対応 |
|---|---|---|
| 民間業者 | 本人の退職意思を伝える連絡か、退職条件の話し合いを求める連絡か | 退職意思は受け取り、条件交渉にはその場で応じない |
| 労働組合 | 団体交渉の申し入れが含まれているか | 人事・労務担当を窓口にして対応する |
| 弁護士 | 本人の代理人として請求や申告をしているか | 上司個人で返答せず、会社として回答内容を決める |
民間業者から有給休暇・退職日・未払い賃金などの話を出されたときは、その場で回答せず人事や労務担当に共有します。本人の退職意思が示されたことと、退職条件の交渉に応じることは別です。
本人の退職意思を確認する
次に、退職の意思が従業員本人のものか確認します。退職代行から連絡が来ただけで退職日や条件を決めず、本人の意思を書面やメールで確認してください。
- 委任状
- 本人確認書類
- 退職届
- 本人名義のメール
- 本人の署名がある書面
本人の意思を書面やメールで確認できれば、退職日・有給休暇・貸与品・必要書類の扱いを決められます。口頭の連絡だけで終わらせず会社側に記録が残る形で進めます。
雇用形態と退職希望日を確認する
退職希望日を確認するときは雇用形態と契約内容を確認します。正社員など契約期間の定めがない雇用と、契約社員など契約期間の定めがある雇用では、退職日を決める手順が異なります。
| 見る項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 雇用形態 | 契約期間の定めがあるか |
| 退職希望日 | 本人が希望している退職日 |
| 就業規則 | 退職の申し出期限と社内手続き |
| 雇用契約書 | 契約期間、更新時期、退職に関する定め |
契約期間の定めがない雇用では、民法の雇用に関する定めにより、解約の申入れから原則2週間で雇用が終了します。就業規則と雇用契約書もあわせて確認してください。
有給・給与・貸与品・引き継ぎを確認する
本人の退職意思と退職希望日を確認したら、有給休暇・給与・貸与品・引き継ぎ・必要書類の有無を洗い出します。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 有給休暇 | 残日数と取得希望日 |
| 給与 | 最終給与、未払い賃金、立替精算 |
| 貸与品 | PC、社員証、鍵、制服などの返却物 |
| 引き継ぎ | 担当業務、進行中の案件、資料の保存場所 |
| 必要書類 | 退職届、離職票、源泉徴収票など |
退職予定者でも在籍中であれば年次有給休暇を取得できます。残日数と本人の取得希望日を確認し、退職日までに取得する日数や最終出勤日を決めてください。
連絡内容を全て残す
退職代行とのやり取りは電話だけで終わらせずメールや社内メモに残します。後から業者とのやり取りで食い違いが出ないようにするためです。
- 連絡日時
- 業者名
- 担当者名
- 連絡手段
- 退職希望日
- やり取りの内容
- 会社側の返答
記録を残す目的は相手を疑うためではありません。上司、人事、労務担当が同じ内容を見て同じ判断で退職手続きを進めるためです。
退職代行業者別の会社の対応
退職代行への対応は民間業者・労働組合・弁護士で変わります。労働条件の話し合いが必要なのかを見極め、会社側の担当者を決めて対応します。
民間の退職代行業者への対応
民間の退職代行業者から連絡が来たら、まず本人の退職意思を伝える連絡かどうかを確認します。有給休暇・退職日・未払い給与・損害賠償などの話が出たときは、その場で合意や回答をせず、人事や労務担当に共有します。
退職条件について「本人の希望です」と伝えられても、それだけで会社が合意した扱いにはしません。退職届や本人名義のメールなどで本人の意思を記録に残し必要な手続きを進めます。
労働組合の退職代行への対応
労働組合から連絡が来たら、退職意思の伝達なのか、団体交渉の申し入れなのかを分けて確認します。賃金・有給休暇・退職日など労働条件の交渉は、上司個人で返答せず人事や労務担当に引き継ぎます。
- 組合名
- 担当者名
- 組合員である従業員名
- 申し入れ内容
- 交渉を求める事項
団体交渉の申し入れがあるときは、日程・出席者・議題を記録します。そのうえで、何に回答し何を社内で持ち帰るのかを決めて対応してください。
弁護士の退職代行への対応
弁護士から連絡が来たら、本人の代理人としての連絡かを確認します。退職の意思だけでなく未払い賃金・有給休暇・損害賠償・ハラスメントの申告などが含まれることもあります。
その場で上司が返答せず連絡内容を人事や労務担当に共有します。請求や申告が含まれるときは、顧問弁護士や社労士にも共有し会社として返答内容を決めてください。
- 弁護士名
- 所属事務所
- 本人からの委任の有無
- 請求内容
- 回答期限
弁護士への返答は書面やメールで記録に残ります。退職意思を受け取ったこと、会社が回答する内容・社内で確認中の内容を分けて伝えます。
退職代行を使われた後に会社が進める退職手続き
退職代行を使われても会社が行う退職手続きの流れは通常の退職処理と大きく変わりません。
| 手続き項目 | 会社が行うこと |
|---|---|
| 退職届 | 本人の退職意思と退職日を記録に残す |
| 有給休暇 | 残日数と取得希望日を確認する |
| 給与 | 最終給与、未払い賃金、立替金を確認する |
| 貸与品 | 返却物、返却期限、送付先を決める |
| 引き継ぎ | 担当業務、進行中の案件、資料の保存場所を確認する |
| 退職後の書類 | 離職票、源泉徴収票、社会保険の手続きを進める |
退職届の提出を依頼する
退職代行から連絡が来ても退職届の提出は依頼しましょう。退職日と本人の意思を書面で残し後から認識が食い違うのを防ぐためです。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 氏名 | 従業員本人の氏名か |
| 退職日 | 退職希望日と一致しているか |
| 提出日 | 退職届の作成日または提出日 |
| 署名 | 本人の署名があるか |
本人が出社しないときは郵送やメールで提出を依頼します。会社に記録が残る方法で受け取ってください。
有給休暇・最終給与・未払い賃金を確認する
退職代行を使われたときは、有給休暇・最終給与・未払い賃金を先に確認します。退職予定者でも在籍中は年次有給休暇を取得できます。残日数・取得希望・退職日までの日数を確認し最終給与に反映する内容を明確にします。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 有給休暇 | 残日数、取得希望日、退職日までの日数 |
| 最終給与 | 給与の締日、支払日、控除項目 |
| 未払い賃金 | 残業代、手当、未精算の立替金 |
| 精算が必要なもの | 賃金、立替金、会社が預かっている物 |
退職者から賃金や預かり物の支払い・返還を求められたときは、労働基準法の金品返還に関する定めに沿って対応します。最終給与・未払い賃金・立替金・預かり物の有無を確認してください。
貸与品の返却方法を決める
退職代行を使われると本人が出社しないまま退職することがあります。貸与品は、返却する物・返却期限・送付先・返却方法を会社側で指定します。
- PC
- スマートフォン
- 社員証
- 制服
- 鍵
- 社用カード
郵送や宅配便で返却してもらうときは追跡できる方法を指定します。返却期限・送付先・梱包の注意点はメールや書面で伝えてください。
会社のデータが入ったPCやスマートフォンは、返却後に端末内のデータと破損の有無を確認します。退職日が決まったら、メール・SlackやChatworkなどのチャット・勤怠・社内システムなどのアカウントも停止または削除します。
引き継ぎが難しいときの対応
退職代行を使われたときは対面での引き継ぎができないことがあります。会社側は担当業務・進行中の案件・資料の保存先など、業務を続けるために必要な情報を集めます。
- 担当業務
- 進捗資料
- 顧客情報
- 社内メモ
- 保存先
本人と直接話せないときは、退職代行経由で引き継ぎメモの提出を依頼します。未完了の作業や期限、顧客対応の注意点を残してもらい社内では期限が近い業務から担当者を決めます。
離職票・源泉徴収票・社会保険の手続きを進める
退職日が決まったら退職後の書類と保険関係の手続きを進めます。退職代行を使われても退職書類や保険の手続きは会社が行います。
| 退職後の手続き | 会社が行うこと |
|---|---|
| 離職票 | 本人の希望を確認して発行手続きを進める |
| 給与所得の源泉徴収票 | 退職後1か月以内に交付する |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金の資格喪失手続きを行う |
| 雇用保険 | 資格喪失届や離職証明書の手続きを行う |
給与所得の源泉徴収票は、年の途中で退職した人にも退職後1か月以内に交付します。社会保険は日本年金機構の案内、雇用保険はハローワークの手続き案内に沿って進めてください。
退職後の書類や保険手続きが遅れると退職者とのやり取りが増えます。退職代行を使われたときほど送付先・交付書類・手続き状況をメールや書面で残しておくことが大切です。
退職代行を使われた会社がやってはいけない対応
退職代行を使われた直後は会社側の対応がその後のやり取りに影響します。ここでは本人や退職代行に対して避けるべき対応を解説します。
| やってはいけない対応 | 会社が行う対応 |
|---|---|
| 連絡を無視する | 退職意思と連絡内容を受け取る |
| 本人へ何度も連絡する | 窓口を人事・労務担当に一本化する |
| 退職を拒否する | 雇用形態と退職希望日を確認する |
| 有給や給与を止める | 有給残日数、最終給与、未払い賃金を確認する |
| 損害賠償を伝える | 実際の損害額と本人の行為を確認する |
| 退職者を悪く言う | 業務に必要な内容だけを社内共有する |
退職代行からの連絡を無視する
退職代行からの連絡を無視すると、退職日・有給休暇・給与・貸与品の返却などの確認が遅れます。後から本人や業者との認識がずれ、会社側の手続きにも余計な手間が生じます。
まずは業者名・担当者名・連絡先・従業員本人の氏名・退職希望日を控えます。その場で答えられない内容は、人事や労務担当に引き継ぎ、会社として回答する内容をまとめてください。
本人へ何度も直接連絡する
退職代行を使った本人へ会社が何度も電話やメールを送るのは避けてください。退職理由を問い詰めたり出社を求めたりすると、会社側の対応が問題視されることがあります。
本人へ連絡する内容は、退職届・貸与品・給与・退職後の書類など、手続きに必要なものだけにします。上司個人から連絡せず人事や労務担当を窓口にしてください。
- 繰り返しの電話
- 自宅への訪問
- 退職理由の問い詰め
- 上司個人からの連絡
- 感情的なメール
退職を一方的に拒否する
従業員から退職の意思が示されたら、会社は退職日と雇用形態を確認します。期間の定めがない雇用では、民法上、解約の申入れから原則2週間で雇用が終了します。
引き継ぎや繁忙期の事情があっても、出社を強制したり、退職届の受け取りを拒んだりする対応は避けてください。まず本人の退職意思、雇用形態、退職希望日を確認し、退職手続きを進めます。
- 退職を認めないと伝える
- 出社を強制する
- 退職届を受け取らない
- 引き継ぎが終わるまで退職できないと伝える
有給消化や給与支払いを不当に拒否する
退職代行を使われたことに不満があっても、有給休暇を認めなかったり、給与の支払いを遅らせたりしてはいけません。退職予定者でも在籍中は年次有給休暇を取得できます。残日数、取得希望日、最終給与、未払い賃金を確認してください。
- 有給残日数
- 取得希望日
- 最終給与
- 未払い残業代
- 立替精算
- 会社が預かっている物
退職者から未払い賃金、立替金、会社が預かっている物の支払い・返還を求められたときは、7日以内に対応する必要があります。
損害賠償や懲戒解雇を安易に伝えない
突然退職されると業務に支障が出ることはあります。それでも退職代行を使ったことだけを理由に損害賠償や懲戒解雇を告げてはいけません。
懲戒解雇には就業規則上の根拠と行為の内容に見合う理由が必要です。理由が不十分なまま懲戒処分を行うと、処分が無効と判断されることがあります。
また、労働契約であらかじめ違約金や損害賠償額を決めておくことは制限されています。損害賠償を考える前に、実際の損害額、退職との関係、本人の行為を分けて確認してください。
- 損害賠償をちらつかせる
- 懲戒解雇を告げる
- 退職金を一方的に止める
- 脅すような文面を送る
会社に損害が出ていると考えるときも、退職代行を使ったという一点だけで処分や請求を決めるのは避けてください。事実関係を整理し、人事、労務担当、必要に応じて専門家に相談してから判断します。
社内で退職者の悪口を言わない
退職代行を使われたことについて社内の従業員に退職者を責めるような話し方をしてはいけません。
共有するのは担当業務の引き継ぎや人員配置など業務に必要な内容だけにします。退職理由や本人の事情まで広める必要はありません。
- 退職者への批判
- 退職理由の共有
- 個人事情の拡散
- 見せしめのような説明
退職者への対応は残る従業員も見ています。ここで悪口や見せしめのような説明をすると「自分が辞めるときも同じ扱いを受ける」と受け取られます。
退職代行を使われる会社の特徴と原因
退職代行を使われた原因を、従業員本人だけの問題として片づけないでください。退職を言い出しにくい雰囲気、人間関係の悪化、長時間労働、業務の偏りがある職場では、本人が会社に直接話せず、退職代行を選ぶことがあります。
| 会社側の課題 | 起きている状態 |
|---|---|
| 退職相談のしづらさ | 退職を伝えると責められる |
| 人間関係の悪化 | 上司や同僚に相談しにくい |
| 労働時間の長さ | 残業や休日出勤が続いている |
| 業務の集中 | 特定の人に仕事が集まっている |
退職を言い出しにくい職場になっている
退職を言い出しにくい職場では、従業員が上司に直接伝える前に退職代行を選ぶことがあります。強く引き止められる、理由を細かく聞かれる、退職後に気まずくなると感じる職場では、本人が直接話すことを避けやすくなります。
- 強い引き止め
- 退職理由の詰問
- 相談しづらい上司
- 退職者への冷たい対応
会社側に悪意がなくても、本人が「退職を伝えても受け入れてもらえない」と感じていれば、退職代行を使う理由になります。
退職代行を使われた後は本人の性格だけで判断せず退職を伝えにくい職場になっていないかを見直してください。
ハラスメントや人間関係が悪化している
上司との関係が悪化している職場では、従業員は退職の意思を直接伝えにくくなります。強い叱責、無視、人格を否定する発言が続くと、会社と話すことを避けるために退職代行を選ぶことがあります。
上司に相談しても責められる、周囲に知られる、評価に響くと感じる職場では、従業員は悩みを社内で話さなくなります。
退職代行を使われた後は本人だけの問題にせず上司や同僚との関係に原因がなかったかを見直してください。
長時間労働や業務負荷が大きい
残業や休日出勤が続く職場では、従業員が退職を言い出しにくくなります。仕事量が多く休みを取りづらい状態や、特定の人に仕事が集中している状態が続くと、本人が上司へ相談する前に退職代行を選ぶことがあります。
退職代行を使われた後は、退職者の勤務時間だけでなく同じ部署や同じ担当範囲の仕事量も確認してください。残業、休日出勤、休暇取得、担当業務の量を見直し、同じ理由で次の退職が起きないようにします。
| 確認する点 | 見直す内容 |
|---|---|
| 残業時間 | 特定の部署や担当者に残業が集中していないか |
| 休日出勤 | 同じ従業員に休日出勤が続いていないか |
| 休暇取得 | 有給休暇や希望休を取りづらくなっていないか |
| 業務量 | 一人で抱えている仕事が多すぎないか |
業務が属人化している
特定の従業員に仕事が集中している職場では、本人が退職を言い出しにくくなります。自分が抜けたら業務が止まると感じるほど、会社に直接伝える負担が大きくなります。
引き継ぎ先が決まっていない、作業手順が残っていない、顧客対応を一人で抱えている。このような職場では、退職の連絡が来てから業務内容を把握することになり、残る従業員の負担が一気に増えます。
- 担当者しか分からない業務
- 引き継ぎ先の不在
- 業務マニュアルの未作成
- 一人で抱えている顧客対応
退職代行を使われた後は退職者だけに原因を求めず、仕事が特定の人に集中していなかったかを見直してください。
退職代行を使われた後に会社が見直すこと
退職代行を使われたときは退職者への対応だけで終わらせず、在籍している従業員の負担や相談のしづらさも見直します。ここでは、同じ理由の退職を繰り返さないために会社側で見直す項目を解説します。
| 見直す項目 | 会社が行うこと |
|---|---|
| 業務負担 | 退職者の担当業務を複数人で分担する |
| 不満や不安 | 面談やアンケートで職場の実態を把握する |
| 相談先 | 上司以外にも相談できる窓口を用意する |
| 面談の機会 | 業務量や人間関係について定期的に話を聞く |
| 引き継ぎ体制 | 業務手順や資料の保存場所を共有する |
残る従業員の業務負担を調整する
退職者が担当していた仕事を特定の従業員にまとめて渡してはいけません。まず担当業務、期限、顧客対応、承認待ちの案件、未共有の資料を洗い出し、複数人で分担します。
- 担当業務
- 期限が近い作業
- 顧客対応
- 承認待ちの案件
- 未共有の資料
一時的な穴埋めだけで終わらせると、次の退職につながります。退職後1〜2週間は上司や人事が各担当者の業務量を確認し期限や担当者を調整してください。
他の従業員の不満や不安を確認する
退職代行を使われた後は他の従業員も同じ不満を抱えていないか確認します。上司に話しにくい内容は匿名アンケートや人事面談で聞くと本音が出やすくなります。
| 確認するテーマ | 確認すること |
|---|---|
| 業務量 | 負担が特定の人に集中していないか |
| 人間関係 | 相談しづらい相手や関係性がないか |
| 労働時間 | 残業や休日対応が続いていないか |
| 上司との関係 | 悩みや退職の意思を伝えられる関係か |
ここで状況を把握しないと、同じ不満を抱えた従業員の退職に気づくのが遅れます。
退職や悩みの相談窓口を作る
相談先が上司だけだと、上司との人間関係に悩んでいる従業員は退職の意思を伝えにくくなります。社内で相談できないまま不満が大きくなると、退職代行を選ぶことがあります。
人事、労務担当、社内相談窓口、外部相談先など、上司以外にも話せる窓口を用意してください。匿名で相談できるフォームを設ける方法もあります。
- 人事担当
- 労務担当
- 社内相談窓口
- 外部相談先
- 匿名相談フォーム
相談したことを理由に、評価や配置で不利益を受けないことも明記します。窓口を作るだけでなく、相談後の扱いまで社内に伝えてください。
定期的に1on1や面談を行う
退職の意思は業務量や人間関係への不満が続くと強まります。定期的な1on1や面談を行い従業員が退職を決める前に職場で困っていることを聞きます。
面談では評価や成果の話だけでなく、業務量や人間関係、今後の働き方についても聞いてください。退職の話が出てからではなく普段から相談できる機会を作ります。
聞いた内容は、業務量の調整・担当変更・相談先の案内などに反映します。話しても何も変わらない状態が続くと、従業員は会社に相談しなくなります。
業務マニュアルと引き継ぎ体制を整える
退職代行を使われたときに会社が困るのは、本人しか分からない業務が残っているときです。作業手順や資料の保存場所、顧客対応の状況が共有されていないと退職後に残った従業員が対応できなくなります。
退職の連絡が来てから慌てて聞くのではなく、普段から業務手順や資料の保存場所を残しておきます。すべてを細かく書く必要はありません。まずは、他の従業員が作業の流れを追える状態を作ります。
- 作業手順
- 顧客情報の保管場所
- 進行中の案件
- 社内システムの操作方法
- 問い合わせ先
引き継ぎ体制があれば、退職者だけに業務情報が集中する状態を減らせます。残る従業員も、退職後の作業を一から探さずに対応できます。
退職代行を使われたときのよくある質問
退職代行を使われたら本人に連絡してもよい?
退職届、貸与品、最終給与、必要書類など、手続きに必要な連絡はできます。退職理由の詰問、繰り返しの電話、出社を求める連絡は避け、人事や労務担当を窓口にしてください。
退職代行を使われたら退職を拒否できる?
本人の退職意思が示されているなら、会社側の都合だけで退職を拒むのは避けてください。雇用形態、契約期間、退職希望日を確認し、退職手続きを進めます。
退職代行を使われたら有給消化を拒否できる?
退職代行を使われたことや人手不足だけを理由に、有給消化を拒むのは避けてください。残日数、取得希望、退職希望日を確認して扱います。
退職代行を使われたら引き継ぎはどうすればよい?
本人が出社しないときは、退職代行経由や書面で引き継ぎメモを依頼します。残った業務は、期限が近いものから社内で分担してください。
退職代行を使われたら損害賠償請求できる?
退職代行を使われたという理由だけで、すぐに損害賠償請求できるとは考えない方がよいです。実際の損害額、退職との関係、本人の行為を確認し、請求や懲戒処分を示す前に専門家へ相談してください。
まとめ|退職代行を使われたら手続きと職場改善を進める
退職代行を使われると、会社や上司が驚くのは自然です。直接話してもらえなかったことに戸惑い、引き継ぎや業務への影響が気になることもあります。それでも、本人を責めたり、退職を無理に止めたりしてはいけません。
退職代行を使われた後は、退職を言い出しにくい雰囲気、業務の集中、上司との関係、他の従業員の不満も見直してください。退職手続きだけで終わらせず、残る従業員が働き続けやすい職場に直していくことが、会社にとって現実的な対応です。









