退職代行のトラブル事例13選!失敗原因と防ぐ方法・対処法を解説

退職代行のトラブル事例13選!失敗原因と防ぐ方法・対処法を解説

退職代行は、会社へ退職の意思を伝えるサービスです。退職代行を使っただけで、会社とのトラブルが必ず起こるわけではありません。

有給消化の拒否や未払い給与など、会社との交渉が必要な問題は、民間の退職代行では対応できません。こうしたトラブルがある人は、労働組合または弁護士が運営する退職代行を検討してください。

この記事では、退職代行で起こりやすいトラブル事例13選と、依頼前に防ぐ方法、トラブルになったときの対応策を解説します。

退職代行を選ぶ前に、会社との交渉が必要な内容が残っていないかを整理しておきましょう。

執筆:LiNee編集部
LiNee編集部

LiNee編集部が各社の公式情報・料金・利用条件・対応範囲を確認し、利用者アンケートも参考に作成しています。

アンケート調査概要

調査対象退職代行を利用した経験がある人
調査期間2024年3月6日〜継続中(最終集計日:2026年6月17日)
有効回答数182件
調査方法Googleフォームによるインターネットアンケート(匿名・任意回答)
調査主体LiNee編集部
目次

退職代行でトラブル・失敗することはある?

退職代行を使っただけで必ず会社とトラブルになるわけではありません。

有給消化を拒否された場合や、未払い給与・損害賠償をめぐる問題がある場合は、会社との交渉が必要になることがあります。

退職の意思を伝えるだけの民間業者では、会社との交渉・調整までは対応できません。

退職代行そのものは違法ではない

退職代行に会社へ退職の意思を伝えてもらうこと自体は違法ではありません。期間の定めがない雇用契約(民法第627条)であれば、労働者は退職を申し入れられます。

気をつけたいのは退職代行に任せる内容です。有給消化の交渉や未払い給与の請求、損害賠償への対応は会社との交渉が必要です。

弁護士ではない業者が会社と交渉すると、非弁行為にあたることがあります。弁護士法第72条の問題になるため、退職代行そのものではなく、業者が何を代わりに行うかで判断が変わります。

退職代行でトラブルになりやすい主な原因

退職代行のトラブルは依頼前の確認漏れから起こることが多いです。特に多いのは有給消化や退職日の調整など会社との交渉が必要なのに、交渉できない業者へ依頼してしまうことです。

トラブルの原因発生しやすいトラブル
会社との交渉が必要なのに民間業者を選んだ有給消化・退職日の調整・未払い給与の請求が進まない
有給残日数・給与明細・貸与品を整理していない退職後に会社から連絡が来る、退職書類の送付や給与支払いで揉める
料金の安さだけで選んだ追加料金を請求される、必要な対応が基本料金に含まれていない

退職代行に任せられる内容は、業者によって変わります。退職の意思を伝えるだけでよいのか、会社との交渉まで必要なのかを依頼前に確認しないと、退職日や有給、給与の話で会社とトラブルになるかもしれません。

会社と揉める人は退職代行業者選びに注意

すでに会社とトラブルになっている人や、有給消化・未払い給与・退職金などの話が残っている人は、退職代行を使っても会社との交渉が必要です。

次の内容に当てはまる人は、会社との交渉が必要かもしれません。

  • 有給休暇を消化してから辞めたい
  • 未払い給与や残業代がある
  • 退職金について会社と話す必要がある
  • 会社から損害賠償や懲戒解雇を示唆されている
  • 本人や親へ連絡されたくない

退職の意思を伝えるだけの民間業者では、会社との交渉まで任せられません。上の内容に当てはまる人は、労働組合や弁護士対応の退職代行も含めて選んでください。

退職代行利用者に聞いた実際のトラブル・想定外の出来事

LiNee編集部が退職代行の利用経験者を対象に実施したアンケートでは、トラブルなく退職できた人はいますが、貸与品の返却などで会社とのやり取りが必要になったという回答もありました。

トラブルがなかった人の声

トラブルはまったくありませんでした。むしろ『え、これだけで終わり?』と思ったくらいです。

出典:LiNee編集部アンケート(要約)

想定外の出来事があった人の声

制服やPCの返却方法で揉めました。会社が『直接持ってこないと受け取らない』の一点張りで、結局着払いで郵送する形に落ち着くまで3日かかりました。

出典:LiNee編集部アンケート(要約)

退職代行を使ったからといって必ずトラブルになるわけではありません。ただし、貸与品の返却や会社からの連絡、有給消化などで想定外の対応が必要になるケースもあります。

以下では、退職代行の利用時に起こり得るトラブル・失敗事例を具体的に解説します。

退職代行のトラブル・失敗事例13選

退職代行で起こるトラブルは、「会社とのやり取りで起こるトラブル」と「依頼した業者との間で起こるトラブル」があります。

まずは、どのようなトラブルや失敗が起こりやすいのかを見ておきましょう。

会社に退職を拒否された

退職代行を使ったあと、会社から「本人から直接言われていないので認めない」「今辞められると困る」と言われることがあります。

期間の定めがない雇用契約では、労働者から退職を申し入れることができます。会社が困るという理由だけで、退職そのものを止められるわけではありません。

会社に退職の意思が伝わっていないと、会社が手続きを進めないことがあります。退職代行業者が会社へ連絡した日時、退職届の提出方法、会社からの返答を聞いておきましょう。

LiNee編集部

会社が退職を拒んだら、依頼中の退職代行が会社との交渉まで行えるか確認してください。有給消化や退職日の調整が必要な人は、労働組合対応の退職代行への切り替えを検討してください。

民法第627条では、期間の定めがない雇用契約について、労働者から退職を申し入れられると定めています。会社が「今辞められると困る」と拒んでも、それだけで退職を止めることはできません。

雇用契約書に契約終了日が書かれている人は、有期労働契約です。会社の同意を得ずに契約途中で辞めるには、原則として民法第628条の「やむを得ない事由」が必要です。1年を超える有期労働契約では、高度な専門知識を持つ労働者や60歳以上の労働者など一部を除き、契約開始から1年が過ぎれば退職を申し出られます。

退職代行を使う人で契約終了日が決まっている人は、雇用契約書に書かれた契約期間を依頼先へ伝えてください。

退職代行に依頼したが本人や親へ連絡が来た

退職代行に依頼しても、会社から本人へ電話やLINEが来ることはあります。緊急連絡先に親や身元保証人を登録している人は会社が連絡することもあります。

会社は本人の退職意思の確認や貸与品の返却、引き継ぎ、退職届の提出について連絡してくることがあります。連絡が来たときは、会社からの連絡を無視してよいかの判断基準を確認し、その場で返事をせず、着信履歴やメッセージを退職代行業者へ共有してください。

退職代行利用者の体験談

深夜に社長から直接電話がかかってきました。着信拒否していたはずなのに、別の番号からかけ直してきて正直怖かったです。

出典:LiNee編集部アンケート(要約)

LiNee編集部独自アンケートでも、退職代行へ依頼したあとに会社から本人へ直接連絡が来たという回答がありました。会社から電話やLINEが来た場合は、その場で対応しないで退職代行業者へ共有しましょう。

LiNee編集部

親や身元保証人に連絡が入ると、家族が会社へ返事をしてトラブルになることがあります。退職代行を使う前に、会社から連絡が来ても直接返事をしないよう家族へ伝えておきましょう。

引き継ぎを理由に出社を求められた

会社から「引き継ぎが終わっていないから出社してほしい」と言われることがあります。

退職代行を使って出社したくない人でも、業務資料や取引先情報、社用PC・制服・鍵が手元に残っていると、会社から連絡がくるかもしれません。

出社が難しい場合は、引き継ぎメモの送付や貸与品の郵送で対応できるかを退職代行業者から会社へ確認してもらいましょう。「出社したくない」とだけ伝えると、貸与品や資料の確認で会社から連絡が増えることもあります。

LiNee編集部

出社を求められたら会社が何を受け取りたいのかを先に分けてください。引き継ぎ内容・貸与品・退職書類を伝えると、会社へ行かずに対応する方法が見つかるかもしれません。

有給休暇の消化を拒否された

退職代行を使って有給休暇を取りたいと伝えたところ、会社から「退職代行を使うなら有給は使わせない」と言われることがあります。

要件を満たす労働者には、年次有給休暇が付与されます。会社が退職代行の利用を理由に消化を拒否しても、有給休暇の権利そのものがなくなるわけではありません。

退職代行で有給消化したい人は、有給残日数と退職希望日を依頼前に確認してください。会社が有給消化を拒否した場合や、退職日の調整が必要になった場合は会社との交渉が生じるため、民間の退職代行では対応できません。

退職代行利用者の体験談

有給が20日残っていたのに『引き継ぎ資料がないと無理』と言われ、結局8日分は買い取りもされず切り捨てられました。泣き寝入りです。

出典:LiNee編集部アンケート(要約)

有給休暇について会社とのやり取りが必要になったという回答もありました。有給を希望する場合は、依頼前に残日数を確認し、会社との交渉が必要になった場合に依頼先が対応できるかも確認しておきましょう。

LiNee編集部

有給消化を優先するのか、最短で退職したいのかを先に決めてください。希望が曖昧なまま依頼すると、退職日と給与の扱いで会社との調整が難しくなります。

未払い給与・残業代・退職金が支払われない

退職後に、給与や残業代が支払われない、退職金が支払われないといったトラブルがあります。

未払い給与や残業代を請求するには、勤務記録・給与明細・雇用契約書・就業規則などをもとに、いくら支払われていないのかを会社に示す必要があります。労働基準法第24条では、賃金の支払いに関するルールが定められています。

金銭の請求は会社との交渉や法的な判断が関わるため、民間業者に依頼している人は対応できる内容かを早めに確認してください。

LiNee編集部

未払い給与・残業代・退職金は、それぞれ確認する書類が異なります。給与は未払いの月、残業代は勤怠記録、退職金は就業規則や退職金規定を用意してから相談先を選びましょう。

損害賠償を請求すると言われた

退職代行から会社へ連絡後に、「急に辞めるなら損害賠償を請求する」と言われることがあります。

退職代行を使っただけで損害賠償を請求されるとは限りません。会社が退職を止めるために「損害賠償」と言っているだけのこともあります。

会社の備品を返していない、業務データを持ち出した、会社から具体的な損害額を示されている人は慎重に対応してください。会社へ反論する前に請求理由と金額を文面で残しておきましょう。

退職代行利用者の体験談

「『欠員による損害を請求する可能性がある』と業者経由で伝えられました。結局、実際の請求はありませんでしたが、あの一言だけで数日眠れませんでした。」

出典:LiNee編集部アンケート(要約)

LiNee編集部独自アンケートでも、会社から損害賠償の可能性を言われたが、実際には請求されなかったという回答がありました。

LiNee編集部

「損害賠償を請求する」と言われたことと、実際に支払義務が生じることは分けて考える必要があります。会社から具体的な請求内容や金額が届いた場合は、文面を保存したうえで弁護士へ相談してください。

懲戒解雇にすると言われた

退職代行を使ったあとに、会社から「このままだと懲戒解雇にする」と言われることがあります。

退職代行を使っただけでは懲戒解雇になりません。無断欠勤が続いていたり、就業規則に反する行為がある人は、会社から懲戒解雇の理由として指摘されることもあります。

会社に直接連絡して反論すると自分の発言が不利に扱われることがあります。会社から届いた文面を保管し、退職代行業者へ共有してください。

LiNee編集部

懲戒解雇と言われたら理由を確認してください。退職代行を使ったことではなく無断欠勤や貸与品の未返却など、何を理由にしているのかで対応が変わります。

即日退職できず欠勤扱いになった

退職代行を当日欠勤で使っても、今日付けで退職できるとは限りません。会社によっては、有給消化ではなく欠勤扱いとなります。

即日退職と書かれていても必ず今日付けで雇用契約が終了するとは限りません。有給消化で出社しなくてもいいのか、欠勤扱いなのかで、給与の計算も変わります。

依頼前に、退職希望日・有給残日数・最終出社日を確認しましょう。会社が有給を拒む場合、退職日や有給消化について交渉できる退職代行を選ぶ必要があります。

LiNee編集部

即日退職を希望する人は、今日から出社しないことと、今日付けで退職したいことを分けて伝えてください。有給を使うのか、欠勤扱いを避けたいのかまで伝えると、退職後の給与トラブルを防ぎやすくなります。

離職票・源泉徴収票などの退職書類が届かなかった

退職後に離職票や源泉徴収票などの退職書類が届かないトラブルがあります。

退職代行を使って会社と直接連絡を取らない人は、離職票や源泉徴収票の送付依頼が会社に伝わっていないことがあります。離職票が届かないと失業給付の手続きが遅れ、源泉徴収票が届かないと転職先での年末調整に影響します。

退職書類が届かないときにやること
  • 離職票や源泉徴収票が必要なことを退職代行業者へ伝える
  • 会社から書類を送ってもらう住所を伝える
  • 届かないときは、退職代行業者経由または書面で再依頼する
LiNee編集部

退職書類は退職後すぐに使う人もいます。失業給付を申請する人は離職票、転職先へ提出する人は源泉徴収票が必要になるため、退職日が決まった時点で会社からの送付を依頼しておきましょう。

民間業者では会社と交渉できなかった

民間の退職代行に依頼しても、有給消化や未払い給与、退職日の調整まで任せられません。

民間業者が対応できるのは本人の退職意思を会社へ伝えることです。有給消化を認めてもらったり未払い給与を請求したり退職日を会社と調整するなどの交渉は対応範囲ではありません。

LiNee編集部

有給消化の交渉、未払い給与の請求、退職日の調整まで任せたい人は、民間業者では対応できません。依頼前に、労働組合や弁護士対応の退職代行を選んでください。

非弁行為を疑われて退職手続きが止まった

弁護士ではない退職代行業者が会社と有給消化や未払い給与などを交渉すると非弁行為を疑われます。

弁護士法では、弁護士ではない者が報酬を得る目的で法律事件に関する法律事務を扱うことを禁じています。退職代行でも有給交渉や未払い給与の請求、損害賠償への対応まで行うと会社から非弁行為を指摘される原因になります。

会社が非弁行為を指摘すると、退職代行業者とのやり取りを拒否されることがあります。そのままでは、退職日や有給消化、未払い給与について会社と調整できません。

LiNee編集部

非弁行為を指摘されたら、同じ業者に会社との交渉を続けてもらうのは避けてください。有給消化、未払い給与、損害賠償の話がある人は、弁護士対応の退職代行へ相談先を変えましょう。

退職代行業者と連絡が取れなくなった

退職代行へ料金を支払ったあとに業者から返信が来なくなるトラブルがあります。

業者から連絡日時や会社の返答を確認できないと、会社へ退職の連絡をしたのか分かりません。退職の連絡をしていないまま出社しないと、会社から無断欠勤として扱われるおそれがあります。

返信が止まった時点で、支払い履歴や申込み画面、LINE・メールのやり取りを残してください。会社への連絡が済んでいないと分かったときは、別の退職代行へ切り替える準備も必要です。

LiNee編集部

業者と連絡が取れない状態で待ち続けると、出社しない日が欠勤扱いになるおそれがあります。支払い履歴や申込み画面を残し、会社へ退職の連絡が済んでいるかを確かめてください。

追加料金・キャンセル料を請求された

公式ページの料金だけを見て退職代行に依頼すると、あとから追加料金やキャンセル料を請求されるトラブルがあります。

追加料金が発生しやすいのは、深夜対応や即日対応や会社への再連絡などです。書類対応や返金保証にも条件があり、基本料金だけではトータル金額はわかりません。

依頼前に、基本料金に含まれる対応、追加費用が発生する条件、返金保証の対象、キャンセル料の有無を確認してください。料金ページだけで分からない点は支払う前に文面で聞いておきましょう。

退職代行利用者の体験談

「『有給交渉は追加5万円』と後から言われました。最初の見積もりには一切書いてなかったので、正直ぼったくられた気分です。」

出典:LiNee編集部アンケート(要約)

LiNee編集部独自アンケートでは、申込後に想定していなかった追加料金を提示されたという回答もありました。

LiNee編集部

料金だけを見るのではなく、申込前に「基本料金に含まれる内容」「追加料金が発生する条件」「返金・キャンセル条件」を確認しておきましょう。

退職代行のトラブル・失敗を防ぐ回避策

退職代行のトラブルを防ぐには、依頼前に「会社との交渉が必要か」「どの業者なら対応できるか」「退職前に何を用意しておくか」を確認してください。業者を比較するときは、退職代行おすすめランキングをご確認ください。

会社との交渉が必要か確認する

退職代行へ依頼する前に、自分の退職が「退職意思を伝えてもらうだけ」で終わるのか、会社との交渉まで必要なのかを確認してください。

依頼前に確認する内容交渉が必要な理由
有給を使って辞めたい会社が有給消化を拒むと、有給残日数や退職日の調整が必要になる
退職日を会社と決める必要がある今日から出社しない人は、欠勤扱いか有給扱いかで給与が変わる
未払い給与や残業代がある支払いを求めるには、会社への請求と根拠資料の提示が必要になる
退職金を受け取りたい就業規則や退職金規定をもとに、支給条件を確認する必要がある
損害賠償を請求すると言われている法的な判断が関係するため、通常の退職連絡だけでは対応できない
懲戒解雇にすると言われている会社が挙げている理由と就業規則の内容を確認する必要がある

有給、給与、退職金、損害賠償、懲戒解雇が絡む人は、料金や業者の知名度だけで退職代行を選ばないでください。退職意思を伝えてもらうだけか、会社との交渉まで任せたいのかを先に決めておきましょう。

民間企業・労働組合・弁護士でできることを比較する

退職代行は運営元によって対応範囲が異なります。会社へ退職意思を伝えてもらうだけでよいのか、有給消化や未払い給与について会社と交渉したいのかで、選ぶ依頼先が変わります。

会社との交渉が必要な人は労働組合対応の退職代行、損害賠償や懲戒解雇が絡む人は弁護士対応の退職代行を確認してください。

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運営元対応範囲向いている人
民間企業退職意思の伝達、会社への事務連絡会社と揉めておらず、退職意思を伝えてもらいたい人
労働組合退職意思の伝達、有給消化や退職日の調整有給を使いたい人、退職日について会社と話す必要がある人
弁護士法人退職意思の伝達、未払い給与の請求、損害賠償への対応、法的な交渉未払い給与、損害賠償、懲戒解雇、パワハラが絡む人
LiNee編集部

「弁護士監修」と書かれていても、弁護士が会社とやり取りするとは限りません。監修だけなのか、弁護士が退職代行の実務まで対応するのかを依頼前に確認してください。

有給日数・退職希望日・最終出社日を確認する

有給を使って辞めたい人は、依頼前に残日数を確認しておきましょう。

退職代行に依頼したあとで有給残日数や退職希望日が分からないと、会社との調整が増えます。今日から出社しない人も、有給扱いと欠勤扱いでは給与が変わります。

確認する項目
  • 有給の残日数
  • 退職希望日
  • 最終出社日
  • 有給を使い切って辞めたいか
  • 欠勤扱いになったときの給与への影響

有給消化を希望する人は、依頼時に「有給を使って退職したい」と伝えてください。会社が有給消化を拒んだときに、退職代行が交渉まで対応できるかも確認しておきましょう。

退職届・貸与品・私物を整理する

退職代行を使っても退職届の提出や貸与品の返却があります。退職届の提出方法や貸与品の返却方法を決めておかないと、退職後に会社から連絡が来ます。

退職前に準備するもの退職前にやること
退職届郵送提出の可否と送付先を退職代行業者経由で会社へ確認する
保険証返却方法と返却期限を確認する
社員証・鍵・制服まとめて郵送できるように手元にそろえる
社用PC・スマートフォン破損や紛失がないか確認し、追跡できる方法で返送する
会社に残した私物返送してほしいものと処分してよいものを会社へ伝える

貸与品の返却が遅れると、退職後も会社との連絡が続きます。郵送で返すときは、追跡番号が残る方法を使ってください。

料金・返金保証・追加費用・キャンセル規定を確認する

退職代行の料金は、表示されている金額だけで決めないでください。

基本料金が安くても、即日対応や深夜対応、会社への再連絡が別料金になることがあります。返金保証も、退職代行が会社へ連絡した後は対象外になることがあります。

料金トラブルを防ぐための確認内容
  • 基本料金に含まれる対応範囲
  • 追加費用が発生する条件
  • 後払いに対応しているか
  • 返金保証の対象になる条件
  • キャンセル料が発生するタイミング
  • 会社へ連絡した後でも返金対象になるか

必要な対応を追加すると支払総額が上がります。申込み前に料金ページと返金条件を読み総額が分からない退職代行には支払わないでください。

運営会社や労働組合の情報を確認する

退職代行業者を選ぶときは、会社名・所在地・責任者名・料金条件が公開されているかを依頼前に確認します。

運営元の情報が少ない業者や、料金・返金条件がはっきり書かれていない業者は避けてください。労働組合を名乗る退職代行では、組合名や所在地・活動実態まで確認する必要があります。

確認する項目確認する内容
運営会社名会社名や事業者名が明記されているか
所在地・電話番号連絡先が具体的に書かれているか
責任者名責任者名が明記されているか
特定商取引法に基づく表記料金・支払い方法・返金条件が明記されているか
労働組合の情報組合名・所在地・活動実態が分かるか
弁護士対応の有無弁護士監修だけなのか、弁護士が退職代行の実務まで対応するのか

退職代行は、申込み当日に会社へ連絡してもらうこともあります。支払う前に、運営元の情報や料金条件、会社との交渉に対応できる範囲を確認してください。

退職代行利用者の「知っておけばよかったこと」

「安さだけで民間の退職代行を選びましたが、あとから会社との交渉が必要な内容には対応できないと知りました。最初から自分の状況に合う依頼先を選べばよかったです。」

出典:LiNee編集部アンケート(要約)

LiNee編集部独自アンケートでは、料金だけで退職代行を選び、あとから希望する対応ができないと気づいたという回答もありました。

LiNee編集部

退職の意思を伝えてもらうだけなのか、有給や退職日の調整が必要なのか、未払い給与や損害賠償などの問題があるのかを整理してから、民間企業・労働組合・弁護士のどこへ依頼するかを決めましょう。

退職代行でトラブルになったときの対処法

退職代行を使ったあとに会社や業者との間でトラブルが起きたら、まずは返答を急がず、電話・LINE・メール・書面の内容を残してください。

会社から本人や親に連絡が来たとき

会社から本人や親、身元保証人へ連絡が来ても、すぐに返事をしないでください。電話、LINE、メール、留守番電話、書面を削除せず、退職代行業者へ共有します。

会社から連絡が来たときにやること
  • 電話にはでないで着信履歴を残す
  • LINEやメールは削除しない
  • 親や身元保証人に届いた連絡内容も残す
  • 退職代行業者から本人や家族へ直接連絡しないよう会社へ伝えてもらう

会社からの連絡には、貸与品の返却や退職届の提出といった事務手続きの連絡もあります。脅しに近い言葉や金銭請求があるときは、自分で返答しないで連絡内容をメモしてください。

会社に退職を拒否されたとき

会社から「退職は認めない」「本人から直接言わないと受け付けない」と言われても、すぐに会社へ返事をしないでください。退職を拒否されたときは、会社を説得するよりも退職の意思を会社へ正式に伝えることが大切です。

退職代行からの連絡だけで会社が退職を受け付けないときは、退職届を郵送します。配達記録が残る方法を使えば退職届を会社へ送った事実を残せます。

退職を拒否されたときに残す記録
  • 退職代行業者が会社へ連絡した日時を聞く
  • 退職届の提出方法を退職代行業者へ聞く
  • 退職届を郵送するときは、配達記録が残る方法を選ぶ
  • 会社からの拒否連絡を保存する

有給消化や退職日の調整が必要な人は会社との交渉が必要です。退職代行業者が対応できない内容を会社から求められたときは、労働組合や弁護士対応の退職代行へ切り替えが必要です。

有給・給与・退職金を拒否されたとき

会社から有給消化・給与・残業代・退職金を拒否されたときは、口頭でやり取りしないで根拠になる資料をそろえてください。

有給休暇は、残日数や申請内容をもとに会社へ伝えます。給与や残業代は、勤怠記録や給与明細で未払い分を確認します。退職金は、就業規則や退職金規定に支給条件が書かれているかを確認します。

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拒否された内容用意する資料主な相談先
有給休暇有給残日数、申請した日数、会社からの返答労働組合、弁護士
給与・残業代給与明細、勤怠記録、シフト表、雇用契約書労働基準監督署、弁護士
退職金就業規則、退職金規定、退職金制度の説明資料弁護士、総合労働相談コーナー

損害賠償や懲戒解雇と言われたとき

会社から「損害賠償を請求する」「懲戒解雇にする」と言われても、自分で反論文や謝罪文を送らないでください。

退職代行を使っただけでは損害賠償や懲戒解雇になるわけではありません。貸与品を返していない、無断欠勤扱いになっている、業務データを持ち出したなどの事情があると、会社から指摘されます。

損害賠償・懲戒解雇を示されたときにやること
  • 会社から届いたメールや書面を保存する
  • 電話で言われた内容は日時と発言内容をメモする
  • 貸与品を返していない人は返却方法を退職代行業者へ聞く
  • 自分で謝罪文や反論文を送らない
  • 損害賠償や懲戒解雇の理由を示されたら弁護士へ相談する

退職代行業者と連絡が取れないとき

退職代行業者に支払ったあとに返信が来なくなったときは、支払い履歴や申込み時の画面を残してください。

残す記録
  • 支払い履歴
  • 申込み時の料金ページや契約内容
  • LINE、メール、チャットのやり取り
  • 返金保証やキャンセル規定
  • 返信が止まった日時

返金を求めるときは、電話ではなくメールや問い合わせフォームを使います。請求内容と送信日時が残るため、消費生活センターへ相談するときにも説明しやすくなります。

退職代行のトラブル・失敗に関するよくある質問

退職代行を使うと会社から訴えられますか?

退職代行を使っただけで会社から訴えられるとは限りません。

会社が「訴える」と言ってきても、実際に裁判になるとは限りません。貸与品の未返却や業務データの持ち出しを指摘されている人は、返答前に文面を保管してください。具体的な請求内容が届いたときは、弁護士へ相談します。

退職代行を使うと損害賠償を請求されますか?

請求される可能性はありますが、請求されたからといって必ず支払う義務があるわけではありません。

退職代行の利用そのものより、急な退職で会社に具体的な損害が出たか、貸与品や機密情報の扱いに問題がないかが見られます。

会社から請求内容を示されたときは、文面やメールを保存してください。その場で支払いを約束せず、請求の理由と金額を確認してから弁護士へ相談します。

退職代行を使うと懲戒解雇になりますか?

退職代行を使っただけで当然に懲戒解雇になるわけではありません。

懲戒解雇には、就業規則上の根拠や相当な理由が必要です。無断欠勤、貸与品の未返却、重大な就業規則違反を指摘されている人は、会社からの文面を保存してください。懲戒解雇の通知や理由書が届いたときは、弁護士へ相談します。

退職代行を使っても有給は取れますか?

退職代行を使っても有給休暇を取れる可能性はあります。

年次有給休暇は、条件を満たした労働者に与えられるものです。会社が拒む場合は交渉が必要になることがあるため、有給残日数、退職希望日、会社が拒否した場合の対応範囲を依頼前に確認してください。

退職代行を使うと親や身元保証人に連絡されますか?

親や身元保証人へ連絡される可能性はあります。

本人と連絡が取れない、貸与品や退職届を確認したい、緊急連絡先として登録されている、といった理由で連絡されることがあります。依頼時には、本人・家族・身元保証人へ直接連絡しないよう会社へ伝えてもらいましょう。

退職代行で退職できないケースはありますか?

多くのケースでは退職に向けて進められますが、希望どおりに終わらない場合もあります。

有給、未払い給与、損害賠償、退職日調整などで会社との交渉が必要になると、民間業者では対応できないことがあります。業務委託、役員、公務員など、一般的な会社員と扱いが異なる働き方にも注意が必要です。

退職代行を使うと転職先にバレますか?

退職代行を使ったことが自動的に転職先へ伝わる仕組みはありません。

ただし、同じ業界で人のつながりが強い場合や、前職への確認が入る場合は、話が伝わる可能性を完全には消せません。

転職先へ余計な印象を残したくないなら、退職手続き、貸与品返却、書類の受け取りをきちんと終えておくことが大切です。

退職代行で失敗しないために一番重要なことは何ですか?

自分の退職で会社との交渉が必要かを先に見極めることです。

退職意思の伝達だけを任せるなら民間企業、有給消化や退職日の調整が必要な人は労働組合、未払い給与・損害賠償・懲戒解雇が絡む人は弁護士対応を検討してください。

料金だけで選ばず、依頼前に対応範囲を確認することが大切です。

まとめ|退職代行のトラブルは業者選びと事前準備で防げる

退職代行を使ったからといって、必ずトラブルになるわけではありません。失敗しやすいのは、退職意思を伝えてもらうだけで足りるのか、会社との交渉まで必要なのかを確認しないまま依頼してしまうケースです。

有給消化、未払い給与、退職金、損害賠償、懲戒解雇が絡むなら、誰が会社とやり取りするのか、どこまで対応できるのかを確認してください。

依頼前には、有給日数、退職希望日、退職届、貸与品、私物、給与や退職金の有無を見ておきましょう。焦って申し込む前に、自分の退職で交渉が必要か、法的な話が絡むかを確認することが、退職代行の失敗を防ぐ近道です。

執筆・監修
LiNee編集部
執筆
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